≪迷える探究者、梓≫を初心者に勧めたい話
2020年4月8日 Magic: The Gatheringこんにちはしゃけです。
4月5日、Youtubeの晴れる屋の動画でこんな動画が投稿されました。
https://youtu.be/_78ifHjc-uc
晴れる屋のチャンネルではすっかり定番となっている、トロピ大塚さんによる「○○top5」シリーズ。今回はイコリアが間近と言うことで、初心者におすすめの単色統率者が挙げられています。そのラインナップの第一位にはなんと≪迷える探究者、梓≫の姿が。トロピ大塚さん個人の意見なのか、晴れる屋全体の総意なのかは分かりませんが、僕の愛用しているジェネラルがこのような形で紹介されるのはとても嬉しい限りです。
例の動画を観て梓edhに少しでも興味を持った方のためを支援したいという思いで、使い手なりの経験に基づくアドバイスを綴っていこうと思います。
【デッキの特徴】
≪迷える探究者、梓≫というクリーチャーは、テキストを読めばすぐ分かる通り土地に関係する能力を持つ伝説です。しかし彼女自身は土地を探す能力も、土地を置くあるいはプレイすることによって何か誘発するわけでもありません。土地のプレイ回数を増やすだけです。つまり彼女を統率者領域に据えて能力を活かすためには、プレイする土地がないと始まらないのです。つまりデッキ内の土地の総数はかなり多めであることが要求されます。
edhにおけるマナ基盤の拡大は大きく三種類に分類されます。≪魔力の墓所≫≪太陽の指輪≫を筆頭としたアーティファクトで加速する方法、≪ラノワールのエルフ≫≪極楽鳥≫などのマナクリーチャーで加速する方法、≪不屈の自然≫≪木霊の手の内≫で土地を探し直接場に出す方法の三種類です。
またこの三通りによる加速ですが、速度は「アーティファクト>マナクリ>土地」の序列となっています。アーティファクトは比較的コストが軽いものが多く、それでいて召喚酔いという概念に縛られることなくマナを捻り出せる利点を持っています。土地加速が最下位なのは、コストが重かったり、サーチカードのテキストによりサーチしたカードはタップインしなければいけなく、実質召喚酔いと同等の影響を受けることになるからです。速度はデッキの強さに直結しやすく、マナ基盤を順調に拡大出来れば行動の選択肢は広がります。他のプレイヤーのマナ基盤が整い切る前にゲームを決めることも決して不可能ではありません。
しかしedhにおけるアーティファクトは、あくまで強いだけであって、トップメタとは言い切れません。その理由は脆さにあります。
サイドボードというシステムの存在しないこのフォーマットでは、アーティファクトを露骨にメタってくるカードを、色やデッキコンセプトが合えば問答無用で突っ込んでくる構築が多いからです。edhにおけるアーティファクト対策は、クリーチャー除去と同等の価値を持ちます。アーティファクトによる加速をメインとしたデッキが、もしこのような対策カードを唱えられてしまうと非常に苦しくなるでしょう。アーティファクトによる加速は、速度で差をつけられる反面、呪文1枚で盛大にバランスを崩しうる脆さを持っているのです。
マナクリも同様です。マナクリに展開を依存したデッキは、≪神の怒り≫などの全体除去1枚で一気に窮地に追い込まれるリスクを伴います。生物であるが故の脆さと言えるでしょう。
さてそれでは土地はどうでしょう。実はedhにおいて、土地に干渉してくるプレイアブルなカードは、ごくごく一部に限られます。
土地を丸ごと破壊してくるカードも、デッキによっては勝ち手段の一つとして用いられることはありますが、これらは考え無しに撃つとひたすらダレる虚無の卓と化してしまうため、このようなスペルを積むデッキはかなり限られます。
土地への干渉手段の亜種として、単色デッキがこのようなカードを採用することもあります。しかしそれでも≪血染めの月≫は赤単デッキしか置いてきませんし、≪基本に帰れ≫も島だらけの構築の青単しか採用されません。土地に干渉してくる呪文というのは、全体に影響を及ぼすものが多く、採用されにくい呪文なのです。つまり土地加速は最も妨害されにくく、遅さと引き換えに安定度が高いのです。安定度順で先程と同じように「>」で並べようものなら、見事に逆転するでしょう。
梓edhは先述した通り土地を多めに要求される構築になるので、他人から飛んでくる妨害の影響をほぼ受けずにマナ基盤を拡大することが可能なのです。安定して土地を置き続けやすいのでマナスクリューも起こしづらく、「土地事故で何も出来ず死んだ」というかなり精神的に来る負け方もほぼあり得ないでしょう。トロピ大塚さんが梓を1位に挙げた理由は、ここにあるのではないかと思います。
また梓は緑単というのもあって、クリーチャーのアクセスも得意としています。
プレイアブルなクリーチャーサーチカードは、どの色とも比較にならないほどの数を有しています。また緑は「上陸」という能力を持つカードが多いです。
マナ基盤に余裕を持ちやすいため、重いけどその分強力なクリーチャーをふんだんに使うことが出来るのも梓edhの強みです。
【デッキの短所】
結論から言って、コンボデッキ相手だと無力です。所謂"ガチ卓"でお馴染みのハルクフラッシュ、≪タッサの神託者≫などは取れる対策が無に等しいので、もし揃えられてしまうと黙って見届けるしかありません。諦めましょう。揃うな…!揃うな…!と祈るしかありません。揃えられる前にキッチリ倒しましょう。
【デッキの組み方】
梓edhを組むにあたって、「これだけは入れないといけない必須パーツ」が5つあります。
①とにかく梓を早く出すためのカード
順当に土地を置いて行って、3ターン目に梓を唱えて4ターン目に6マナ以上のアクションを取るために繋げるプランも、経験則から言うと決して弱い動きではありません。置く土地が無ければ梓を出す意味はないので、土地を多く抱えた初手をキープするのも一概に悪い動きとは言えません。
ですが、4ターン目に6マナアクションを取るよりも3ターン目に6マナ以上のアクションを取る方が基本強いです。
1マナで唱えられるカードや、2マナ出る土地を入れると良いでしょう。
②手札以外からも土地をプレイ出来るカード
手札から土地をプレイし続けるのは、梓がいる限り一瞬で置き切ってしまうため不可能です。なので上記のカードで土地をどんどんプレイ出来るようにしましょう。≪世界のるつぼ≫は破滅の刻で全く同じ能力を持っている≪ラムナプの採掘者≫が登場したので、サーチも容易になりました。マナ基盤はあればあるほど行動の選択肢が広くなるため、このようなカードは必須パーツとなっています。また≪クルフィックスの狩猟者≫は≪ムル・ダヤの巫女≫という似たようなカードも存在しています。水増しとして一緒に是非採用しましょう。
③勝ち筋
edhにおける有効な勝ち筋はコンボによる即死、あるいは統率者ダメージによる撲殺の2種類に分かれます。しかし梓は≪野生の心、セルヴァラ≫や≪養育者マーウィン≫のようなジェネラル特有のコンボを持つわけでも、統率者ダメージを狙いにいける能力を持ち合わせていません。複数枚のパーツでコンボを成立させるべく研究を重ねている方もいらっしゃいますが、コンボパーツが軒並み緑単ではアクセス力が弱く、コンボを揃えるのは困難を極めます。コンボに寄せるとなると、それに合わせて構築も若干歪めていく必要も出てくるでしょう。
梓edhでコンボを研究している御方の記事はこちら。
https://stella77x.diarynote.jp/profile/
コンボを揃えるのも難しく、梓本体で殴り殺すことも厳しい。となると残された道はただ一つ。優秀なクリーチャーをデッキ内に大量に仕込み、物量と質で押し切るしかありません。
土地にもクリーチャーにも強いデッキである以上、こういったカードも勝つためには必要となってきます。始祖エルドラージは即座に対処されないとゲーム終了まで暴れまわることが多く、≪ウギンの目≫は使い回しが可能なため、ウラモグ2種、コジレック2種、エムラクールを盤面に集合させることも夢ではありません。オーバーキル過ぎる。
④フェッチランド
梓edhのリストを参考にすべくデッキリストを粗方調べたことのある方ならお気付きな方も多いでしょう。そう、緑単色なのにZENやKTKのフェッチランドが容赦なく積まれているリストが多いです。その理由は②で触れた≪世界のるつぼ≫≪ラムナプの採掘者≫との強烈なシナジーによるものなのです。土地のプレイ回数を増やすという梓の能力も相まって、土地が"プレイ可能な領域"と"戦場"を反復横跳びできるようになるのは非常に強力です。
≪吹きさらしの荒野≫を、梓と≪世界のるつぼ≫で限界まで使いまわせば、マナを消費することなく毎ターン3マナ分増やすことが可能なのです。毎ターン3マナ増やし続けるという芸当は、アーティファクトによるマナ加速ですら実現不可能なほどです。しかもこの組み合わせは召喚酔いも、タップインによる減速も受けず、即呪文を唱えるコストに充てることが出来ます。ただでさえ妨害を受けにくい土地が、アーティファクトをも超える速度で展開していけるのです。
揃える手間も梓を戦場に出し、クリーチャーサーチで≪ラムナプの採掘者≫を探し、≪森の占術≫などの土地サーチでフェッチランドを探すだけで整います。そのためフェッチランドに至っては妥協せず揃えましょう。
「妥協」に当てはまらないフェッチランドとは、ZEN(MM3)とONS(KTK)で刷られている、モダン以下のフォーマットで用いられているあの高額なフェッチランドのことです。
Q.役割が似ている≪進化する未開地≫や≪全景サイクル≫では駄目なのか。
A.おおよそ駄目です。
フェッチランドと≪世界のるつぼ≫の組み合わせは、アーティファクトと違ってマナを消費する必要が無く、クリーチャーと違って召喚酔いの影響を受けず、両者を追い抜く速度の加速が可能であることが強みなのです。高額だからとケチって≪進化する未開地≫などで代用してしまうと、そのうま味は大きく減衰してしまいます。お値段は少々張りますが、頑張って揃えましょう。
また最近、かなりプレイアブルなフェッチランドが新規で刷られたので、これらも併せて買いましょう。
⑤ガイアの揺籃の地
緑のedhを組むに当たって、(値段的に)最後の壁と名高い超高額土地。これも、梓edhでは非常に大切な土地です。梓edhに限らず、緑絡みのedhをこれからも組んで遊び続けるのであれば持っておいて欲しい1枚と思ってすらいます。
テキストの裁定上、クリーチャーを何もコントロールしていないとマナは1マナすら出ない基本森以下の性能になりますが、edhは統率者という、何度でも戦場に戻ってこられるクリーチャーが約束されます。そして緑単デッキにおけるクリーチャーというのは予想以上に横並びが容易です。3マナ出るのはほぼ当たり前だと思った方がよろしいと思います。
また梓edhは≪ガイアの揺籃の地≫以外にも大量に土地が並びます。そのため仮に盤面のクリーチャーを0にされても、≪ガイアの揺籃の地≫1枚からマナが出せない程度で困ることは基本ありません。つまり≪ガイアの揺籃の地≫は梓edhにおいて入れ得なのです。弱い部分が実質存在しない複数マナ出せる土地を、梓edhに入れない理由がない以上、僕は≪ガイアの揺籃の地≫の購入を強くお勧めします。もし経済事情の理由で購入が遠い場合は、≪イトリモクの成長儀式≫で代用をおすすめします。
イクサランで登場した、条件を満たせば≪ガイアの揺籃の地≫となるエンチャントです。条件の達成も梓なら決して苦ではありません。500円で御釣りが来る安価パーツなので、どうしても≪ガイアの揺籃の地≫が買えないならこちらを買ってみてはいかがでしょう。これ本体をサーチする手段が皆無ですが、どちらも入れないよりはマシかと思います。
【その他優秀なカード、梓edhならではのカード】
マナクリで加速、展開するタイプのデッキに効果的です。梓edhはマナクリをほぼ採用しなくても済むデッキになりやすいので、このようなヘイト置物は置く側に回ることすら出来ます。
土地を破壊可能な土地。≪ラムナプの採掘者≫で使い回すと毎ターン全員の土地を1枚ずつ奪い続けることが出来ます。
梓edhは大きいマナコストの呪文を唱えることが多いため、3マナ未満の呪文が3マナにされてもほとんど困りません。ちなみに露天ハメコンボした上にこれを置くと対戦相手は何もできなくなります。
≪クルフィックスの狩猟者≫≪ラムナプの採掘者≫をサーチできて、本体も殴るのに向いているサイズの優等生。≪再利用の賢者≫≪溜め込み屋のアウフ≫≪漁る軟泥≫など、状況に応じた優良軽量クリーチャーも探せます。
基本使うのは上のモードのみ。複数枚を手札に加えることができて、さらに探せる土地に制限がありません。ありったけマナを支払って唱えて、優秀な土地をかき集めましょう。
≪輪作≫を繰り返し使えるのと同等のテキストが書いてある超優等生です。≪森林の怒声吠え≫できっちり探せてしまうのも併せて、このクリーチャーには相当お世話になっております。
【まとめ】
この記事を書くきっかけとなった動画を観た時、正直僕は「ほんとにござるか~?」と思いました。その理由は「④フェッチランド」の項目にあります。梓edhにおいてフェッチランドの重要性はこの項で書きましたが、冷静に考えて2000円以上する土地を計6枚要求されるのは、edh新規参入者にとって重くのしかかると思います。6枚揃えるのに2万円前後を要求され、それでいてまだedh完成まで(基本土地合わせても)20%に達するかしないかという現実は、控えめに言っても酷な話だと思います。そんな高額なデッキでedhの卓を囲んで、もしコンボにひたすら養分とされ続けるとしたら、引退も辞さないでしょう。
しかし梓edhは、コンボにはほぼ無力ですが、コンボがほぼ存在しない殴り合いの卓では無類の強さを誇ります。安定しやすいマナ基盤の確保ルートの構築、クリーチャーメタも後出しで捌きやすく、アーティファクトやエンチャントメタもすり抜けることが出来ます。
土地だけで展開、攻撃、ブロッカーの用意も出来るようになったため、土地に露骨に触ってくる偏ったデッキでない限り、梓edhは立ち止まることがありません。コンボには弱い反面、妨害には非常に強いタフなデッキなデッキなのです。
回していてストレスを感じにくく、それでいて一定の水準を満たす程度のパワーを誇るデッキは、確かにedh新規参入者におすすめしやすいデッキなのではないでしょうか。妨害に強い太いデッキを握りたい、それでお金に余裕がある新規参入者は是非この≪迷える探究者、梓≫を統率者に据えたデッキを考えてみてはいかがでしょうか。
4月5日、Youtubeの晴れる屋の動画でこんな動画が投稿されました。
https://youtu.be/_78ifHjc-uc
晴れる屋のチャンネルではすっかり定番となっている、トロピ大塚さんによる「○○top5」シリーズ。今回はイコリアが間近と言うことで、初心者におすすめの単色統率者が挙げられています。そのラインナップの第一位にはなんと≪迷える探究者、梓≫の姿が。トロピ大塚さん個人の意見なのか、晴れる屋全体の総意なのかは分かりませんが、僕の愛用しているジェネラルがこのような形で紹介されるのはとても嬉しい限りです。
例の動画を観て梓edhに少しでも興味を持った方のためを支援したいという思いで、使い手なりの経験に基づくアドバイスを綴っていこうと思います。
【デッキの特徴】
≪迷える探究者、梓≫というクリーチャーは、テキストを読めばすぐ分かる通り土地に関係する能力を持つ伝説です。しかし彼女自身は土地を探す能力も、土地を置くあるいはプレイすることによって何か誘発するわけでもありません。土地のプレイ回数を増やすだけです。つまり彼女を統率者領域に据えて能力を活かすためには、プレイする土地がないと始まらないのです。つまりデッキ内の土地の総数はかなり多めであることが要求されます。
edhにおけるマナ基盤の拡大は大きく三種類に分類されます。≪魔力の墓所≫≪太陽の指輪≫を筆頭としたアーティファクトで加速する方法、≪ラノワールのエルフ≫≪極楽鳥≫などのマナクリーチャーで加速する方法、≪不屈の自然≫≪木霊の手の内≫で土地を探し直接場に出す方法の三種類です。
またこの三通りによる加速ですが、速度は「アーティファクト>マナクリ>土地」の序列となっています。アーティファクトは比較的コストが軽いものが多く、それでいて召喚酔いという概念に縛られることなくマナを捻り出せる利点を持っています。土地加速が最下位なのは、コストが重かったり、サーチカードのテキストによりサーチしたカードはタップインしなければいけなく、実質召喚酔いと同等の影響を受けることになるからです。速度はデッキの強さに直結しやすく、マナ基盤を順調に拡大出来れば行動の選択肢は広がります。他のプレイヤーのマナ基盤が整い切る前にゲームを決めることも決して不可能ではありません。
しかしedhにおけるアーティファクトは、あくまで強いだけであって、トップメタとは言い切れません。その理由は脆さにあります。
無のロッド/Null Rod (2)
アーティファクト
アーティファクトの起動型能力は起動できない。
汚損破/Vandalblast (赤)
ソーサリー
あなたがコントロールしていないアーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
超過(4)(赤)
サイドボードというシステムの存在しないこのフォーマットでは、アーティファクトを露骨にメタってくるカードを、色やデッキコンセプトが合えば問答無用で突っ込んでくる構築が多いからです。edhにおけるアーティファクト対策は、クリーチャー除去と同等の価値を持ちます。アーティファクトによる加速をメインとしたデッキが、もしこのような対策カードを唱えられてしまうと非常に苦しくなるでしょう。アーティファクトによる加速は、速度で差をつけられる反面、呪文1枚で盛大にバランスを崩しうる脆さを持っているのです。
マナクリも同様です。マナクリに展開を依存したデッキは、≪神の怒り≫などの全体除去1枚で一気に窮地に追い込まれるリスクを伴います。生物であるが故の脆さと言えるでしょう。
さてそれでは土地はどうでしょう。実はedhにおいて、土地に干渉してくるプレイアブルなカードは、ごくごく一部に限られます。
ハルマゲドン/Armageddon (3)(白)
ソーサリー
すべての土地を破壊する。
ジョークルホープス/Jokulhaups (4)(赤)(赤)
ソーサリー
すべてのアーティファクトと、すべてのクリーチャーと、すべての土地を破壊する。それらは再生できない。
土地を丸ごと破壊してくるカードも、デッキによっては勝ち手段の一つとして用いられることはありますが、これらは考え無しに撃つとひたすらダレる虚無の卓と化してしまうため、このようなスペルを積むデッキはかなり限られます。
基本に帰れ/Back to Basics (2)(青)
エンチャント
基本でない土地は、それらのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
血染めの月/Blood Moon (2)(赤)
エンチャント
基本でない土地は山(Mountain)である。
土地への干渉手段の亜種として、単色デッキがこのようなカードを採用することもあります。しかしそれでも≪血染めの月≫は赤単デッキしか置いてきませんし、≪基本に帰れ≫も島だらけの構築の青単しか採用されません。土地に干渉してくる呪文というのは、全体に影響を及ぼすものが多く、採用されにくい呪文なのです。つまり土地加速は最も妨害されにくく、遅さと引き換えに安定度が高いのです。安定度順で先程と同じように「>」で並べようものなら、見事に逆転するでしょう。
梓edhは先述した通り土地を多めに要求される構築になるので、他人から飛んでくる妨害の影響をほぼ受けずにマナ基盤を拡大することが可能なのです。安定して土地を置き続けやすいのでマナスクリューも起こしづらく、「土地事故で何も出来ず死んだ」というかなり精神的に来る負け方もほぼあり得ないでしょう。トロピ大塚さんが梓を1位に挙げた理由は、ここにあるのではないかと思います。
また梓は緑単というのもあって、クリーチャーのアクセスも得意としています。
俗世の教示者/Worldly Tutor (緑)
インスタント
あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、そのカードを公開する。あなたのライブラリーを切り直す。その後そのカードをその一番上に置く。
緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith (X)(緑)
ソーサリー
あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがX以下の緑のクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。緑の太陽の頂点をオーナーのライブラリーに加えて切り直す。
召喚の調べ/Chord of Calling (X)(緑)(緑)(緑)
インスタント
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー1体で、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがX以下であるクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
プレイアブルなクリーチャーサーチカードは、どの色とも比較にならないほどの数を有しています。また緑は「上陸」という能力を持つカードが多いです。
不屈の追跡者/Tireless Tracker (2)(緑)
クリーチャー — 人間(Human)・スカウト(Scout)
土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、調査を行う。(「(2),このアーティファクトを生け贄に捧げる:カードを1枚引く。」を持つ無色の手掛かり(Clue)アーティファクト・トークンを1つ生成する。)
あなたが手掛かりを1つ生け贄に捧げるたび、不屈の追跡者の上に+1/+1カウンターを1個置く。
3/2
猛り狂うベイロス/Rampaging Baloths (4)(緑)(緑)
クリーチャー — ビースト(Beast)
トランプル
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは緑の4/4のビースト(Beast)・クリーチャー・トークンを1体生成してもよい。
6/6
ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar (5)(緑)(緑)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
ゼンディカーの報復者が戦場に出たとき、あなたがコントロールする土地1つにつき緑の0/1の植物(Plant)クリーチャー・トークンを1体生成する。
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはあなたがコントロールする各植物クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい。
5/5
マナ基盤に余裕を持ちやすいため、重いけどその分強力なクリーチャーをふんだんに使うことが出来るのも梓edhの強みです。
【デッキの短所】
結論から言って、コンボデッキ相手だと無力です。所謂"ガチ卓"でお馴染みのハルクフラッシュ、≪タッサの神託者≫などは取れる対策が無に等しいので、もし揃えられてしまうと黙って見届けるしかありません。諦めましょう。揃うな…!揃うな…!と祈るしかありません。揃えられる前にキッチリ倒しましょう。
【デッキの組み方】
梓edhを組むにあたって、「これだけは入れないといけない必須パーツ」が5つあります。
①とにかく梓を早く出すためのカード
②手札以外からも土地をプレイ出来るカード
③勝ち筋
④フェッチランド
⑤ガイアの揺籃の地
①とにかく梓を早く出すためのカード
順当に土地を置いて行って、3ターン目に梓を唱えて4ターン目に6マナ以上のアクションを取るために繋げるプランも、経験則から言うと決して弱い動きではありません。置く土地が無ければ梓を出す意味はないので、土地を多く抱えた初手をキープするのも一概に悪い動きとは言えません。
ですが、4ターン目に6マナアクションを取るよりも3ターン目に6マナ以上のアクションを取る方が基本強いです。
繁茂/Wild Growth (緑)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(土地)
エンチャントされている土地がマナを引き出す目的でタップされるたび、それのコントローラーは追加で(緑)を加える。
古えの墳墓/Ancient Tomb
土地
(T):(◇)(◇)を加える。古えの墳墓はあなたに2点のダメージを与える。
ヒッコリーの植林地/Hickory Woodlot
土地
ヒッコリーの植林地はその上に枯渇(depletion)カウンターが2個置かれ、タップ状態で戦場に出る。
(T),ヒッコリーの植林地から枯渇カウンターを1個取り除く:(緑)(緑)を加える。ヒッコリーの植林地の上に枯渇カウンターが1個も無いなら、ヒッコリーの植林地を生け贄に捧げる。
1マナで唱えられるカードや、2マナ出る土地を入れると良いでしょう。
②手札以外からも土地をプレイ出来るカード
クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix (1)(緑)(緑)
クリーチャー・エンチャント — ケンタウルス(Centaur)
あなたのライブラリーの一番上のカードを公開したままプレイする。
あなたのライブラリーの一番上のカードが土地カードであるなら、あなたはそれをプレイしてもよい。
土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは1点のライフを得る。
世界のるつぼ/Crucible of Worlds (3)
アーティファクト
あなたは、あなたの墓地から土地カードをプレイしてもよい。
手札から土地をプレイし続けるのは、梓がいる限り一瞬で置き切ってしまうため不可能です。なので上記のカードで土地をどんどんプレイ出来るようにしましょう。≪世界のるつぼ≫は破滅の刻で全く同じ能力を持っている≪ラムナプの採掘者≫が登場したので、サーチも容易になりました。マナ基盤はあればあるほど行動の選択肢が広くなるため、このようなカードは必須パーツとなっています。また≪クルフィックスの狩猟者≫は≪ムル・ダヤの巫女≫という似たようなカードも存在しています。水増しとして一緒に是非採用しましょう。
③勝ち筋
edhにおける有効な勝ち筋はコンボによる即死、あるいは統率者ダメージによる撲殺の2種類に分かれます。しかし梓は≪野生の心、セルヴァラ≫や≪養育者マーウィン≫のようなジェネラル特有のコンボを持つわけでも、統率者ダメージを狙いにいける能力を持ち合わせていません。複数枚のパーツでコンボを成立させるべく研究を重ねている方もいらっしゃいますが、コンボパーツが軒並み緑単ではアクセス力が弱く、コンボを揃えるのは困難を極めます。コンボに寄せるとなると、それに合わせて構築も若干歪めていく必要も出てくるでしょう。
梓edhでコンボを研究している御方の記事はこちら。
https://stella77x.diarynote.jp/profile/
コンボを揃えるのも難しく、梓本体で殴り殺すことも厳しい。となると残された道はただ一つ。優秀なクリーチャーをデッキ内に大量に仕込み、物量と質で押し切るしかありません。
ウギンの目/Eye of Ugin
伝説の土地
あなたが唱える無色のエルドラージ(Eldrazi)呪文は、それを唱えるためのコストが(2)少なくなる。
(7),(T):あなたのライブラリーから無色のクリーチャー・カードを1枚探し、それを公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre (11)
伝説のクリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
あなたがこの呪文を唱えたとき、パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
破壊不能
滅殺4(このクリーチャーが攻撃するたび、防御プレイヤーはパーマネントを4つ生け贄に捧げる。)
無限に廻るもの、ウラモグがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、オーナーは自分の墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。
10/10
真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth (10)
伝説のクリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
あなたがこの呪文を唱えたとき、カードを4枚引く。
滅殺4(このクリーチャーが攻撃するたび、防御プレイヤーはパーマネントを4つ生け贄に捧げる。)
真実の解体者、コジレックがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、オーナーは自分の墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。
12/12
土地にもクリーチャーにも強いデッキである以上、こういったカードも勝つためには必要となってきます。始祖エルドラージは即座に対処されないとゲーム終了まで暴れまわることが多く、≪ウギンの目≫は使い回しが可能なため、ウラモグ2種、コジレック2種、エムラクールを盤面に集合させることも夢ではありません。
④フェッチランド
梓edhのリストを参考にすべくデッキリストを粗方調べたことのある方ならお気付きな方も多いでしょう。そう、緑単色なのにZENやKTKのフェッチランドが容赦なく積まれているリストが多いです。その理由は②で触れた≪世界のるつぼ≫≪ラムナプの採掘者≫との強烈なシナジーによるものなのです。土地のプレイ回数を増やすという梓の能力も相まって、土地が"プレイ可能な領域"と"戦場"を反復横跳びできるようになるのは非常に強力です。
吹きさらしの荒野/Windswept Heath
土地
(T),1点のライフを支払う,吹きさらしの荒野を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから森(Forest)カード1枚か平地(Plains)カード1枚を探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
≪吹きさらしの荒野≫を、梓と≪世界のるつぼ≫で限界まで使いまわせば、マナを消費することなく毎ターン3マナ分増やすことが可能なのです。毎ターン3マナ増やし続けるという芸当は、アーティファクトによるマナ加速ですら実現不可能なほどです。しかもこの組み合わせは召喚酔いも、タップインによる減速も受けず、即呪文を唱えるコストに充てることが出来ます。ただでさえ妨害を受けにくい土地が、アーティファクトをも超える速度で展開していけるのです。
揃える手間も梓を戦場に出し、クリーチャーサーチで≪ラムナプの採掘者≫を探し、≪森の占術≫などの土地サーチでフェッチランドを探すだけで整います。そのためフェッチランドに至っては妥協せず揃えましょう。
進化する未開地/Evolving Wilds
土地
(T),進化する未開地を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
バントの全景/Bant Panorama
土地
(T):(◇)を加える。
(1),(T),バントの全景を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本森(Forest)カード1枚か基本平地(Plains)カード1枚か基本島(Island)カード1枚を探し、それをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
「妥協」に当てはまらないフェッチランドとは、ZEN(MM3)とONS(KTK)で刷られている、モダン以下のフォーマットで用いられているあの高額なフェッチランドのことです。
Q.役割が似ている≪進化する未開地≫や≪全景サイクル≫では駄目なのか。
A.おおよそ駄目です。
フェッチランドと≪世界のるつぼ≫の組み合わせは、アーティファクトと違ってマナを消費する必要が無く、クリーチャーと違って召喚酔いの影響を受けず、両者を追い抜く速度の加速が可能であることが強みなのです。高額だからとケチって≪進化する未開地≫などで代用してしまうと、そのうま味は大きく減衰してしまいます。お値段は少々張りますが、頑張って揃えましょう。
虹色の眺望/Prismatic Vista
土地
(T),1点のライフを支払う,虹色の眺望を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探して戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
寓話の小道/Fabled Passage
土地
(T),寓話の小道を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探してタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。その後、あなたが土地を4つ以上コントロールしているなら、その土地をアンタップする。
また最近、かなりプレイアブルなフェッチランドが新規で刷られたので、これらも併せて買いましょう。
⑤ガイアの揺籃の地
緑のedhを組むに当たって、(値段的に)最後の壁と名高い超高額土地。これも、梓edhでは非常に大切な土地です。梓edhに限らず、緑絡みのedhをこれからも組んで遊び続けるのであれば持っておいて欲しい1枚と思ってすらいます。
ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle
伝説の土地
(T):あなたがコントロールするクリーチャー1体につき(緑)を加える。
テキストの裁定上、クリーチャーを何もコントロールしていないとマナは1マナすら出ない基本森以下の性能になりますが、edhは統率者という、何度でも戦場に戻ってこられるクリーチャーが約束されます。そして緑単デッキにおけるクリーチャーというのは予想以上に横並びが容易です。3マナ出るのはほぼ当たり前だと思った方がよろしいと思います。
また梓edhは≪ガイアの揺籃の地≫以外にも大量に土地が並びます。そのため仮に盤面のクリーチャーを0にされても、≪ガイアの揺籃の地≫1枚からマナが出せない程度で困ることは基本ありません。つまり≪ガイアの揺籃の地≫は梓edhにおいて入れ得なのです。弱い部分が実質存在しない複数マナ出せる土地を、梓edhに入れない理由がない以上、僕は≪ガイアの揺籃の地≫の購入を強くお勧めします。もし経済事情の理由で購入が遠い場合は、≪イトリモクの成長儀式≫で代用をおすすめします。
イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc (2)(緑)
伝説のエンチャント
イトリモクの成長儀式が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上からカードを4枚見る。あなたはその中からクリーチャー・カード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
あなたの終了ステップの開始時に、あなたがクリーチャーを4体以上コントロールしている場合、イトリモクの成長儀式を変身させる。
太陽の揺籃の地、イトリモク/Itlimoc, Cradle of the Sun
伝説の土地
(T):(緑)を加える。
(T):あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき(緑)を加える。
イクサランで登場した、条件を満たせば≪ガイアの揺籃の地≫となるエンチャントです。条件の達成も梓なら決して苦ではありません。500円で御釣りが来る安価パーツなので、どうしても≪ガイアの揺籃の地≫が買えないならこちらを買ってみてはいかがでしょう。これ本体をサーチする手段が皆無ですが、どちらも入れないよりはマシかと思います。
【その他優秀なカード、梓edhならではのカード】
呪われたトーテム像/Cursed Totem (2)
アーティファクト
クリーチャーの起動型能力は起動できない。
マナクリで加速、展開するタイプのデッキに効果的です。梓edhはマナクリをほぼ採用しなくても済むデッキになりやすいので、このようなヘイト置物は置く側に回ることすら出来ます。
露天鉱床/Strip Mine
土地
(T):(◇)を加える。
(T),露天鉱床を生け贄に捧げる:土地1つを対象とし、それを破壊する。
土地を破壊可能な土地。≪ラムナプの採掘者≫で使い回すと毎ターン全員の土地を1枚ずつ奪い続けることが出来ます。
三なる宝球/Trinisphere (3)
アーティファクト
三なる宝球がアンタップ状態であるかぎり、それを唱えるためのコストが3マナ未満である呪文はそれぞれ、それを唱えるためのコストが3マナになる。
梓edhは大きいマナコストの呪文を唱えることが多いため、3マナ未満の呪文が3マナにされてもほとんど困りません。ちなみに露天ハメコンボした上にこれを置くと対戦相手は何もできなくなります。
森林の怒声吠え/Woodland Bellower (4)(緑)(緑)
クリーチャー — ビースト(Beast)
森林の怒声吠えが戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから、点数で見たマナ・コストが3以下の伝説でない緑のクリーチャー・カードを1枚探してもよい。そうしたなら、それを戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
6/5
≪クルフィックスの狩猟者≫≪ラムナプの採掘者≫をサーチできて、本体も殴るのに向いているサイズの優等生。≪再利用の賢者≫≪溜め込み屋のアウフ≫≪漁る軟泥≫など、状況に応じた優良軽量クリーチャーも探せます。
ナイレアの介入/Nylea’s Intervention (X)(緑)(緑)
ソーサリー
以下から1つを選ぶ。
・あなたのライブラリーから土地カード最大X枚を探し、公開し、あなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
・ナイレアの介入は飛行を持つ各クリーチャーにそれぞれXの2倍の点数のダメージを与える。
基本使うのは上のモードのみ。複数枚を手札に加えることができて、さらに探せる土地に制限がありません。ありったけマナを支払って唱えて、優秀な土地をかき集めましょう。
エルフの開墾者/Elvish Reclaimer (緑)
クリーチャー — エルフ(Elf)・戦士(Warrior)
あなたの墓地に土地カードが3枚以上あるかぎり、エルフの開墾者は+2/+2の修整を受ける。
(2),(T),土地1つを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから土地カード1枚を探し、それをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
≪輪作≫を繰り返し使えるのと同等のテキストが書いてある超優等生です。≪森林の怒声吠え≫できっちり探せてしまうのも併せて、このクリーチャーには相当お世話になっております。
【まとめ】
この記事を書くきっかけとなった動画を観た時、正直僕は「ほんとにござるか~?」と思いました。その理由は「④フェッチランド」の項目にあります。梓edhにおいてフェッチランドの重要性はこの項で書きましたが、冷静に考えて2000円以上する土地を計6枚要求されるのは、edh新規参入者にとって重くのしかかると思います。6枚揃えるのに2万円前後を要求され、それでいてまだedh完成まで(基本土地合わせても)20%に達するかしないかという現実は、控えめに言っても酷な話だと思います。そんな高額なデッキでedhの卓を囲んで、もしコンボにひたすら養分とされ続けるとしたら、引退も辞さないでしょう。
しかし梓edhは、コンボにはほぼ無力ですが、コンボがほぼ存在しない殴り合いの卓では無類の強さを誇ります。安定しやすいマナ基盤の確保ルートの構築、クリーチャーメタも後出しで捌きやすく、アーティファクトやエンチャントメタもすり抜けることが出来ます。
死者の原野/Field of the Dead
土地
死者の原野はタップ状態で戦場に出る。
(T):(◇)を加える。
死者の原野か他の土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
土地だけで展開、攻撃、ブロッカーの用意も出来るようになったため、土地に露骨に触ってくる偏ったデッキでない限り、梓edhは立ち止まることがありません。コンボには弱い反面、妨害には非常に強いタフなデッキなデッキなのです。
回していてストレスを感じにくく、それでいて一定の水準を満たす程度のパワーを誇るデッキは、確かにedh新規参入者におすすめしやすいデッキなのではないでしょうか。妨害に強い太いデッキを握りたい、それでお金に余裕がある新規参入者は是非この≪迷える探究者、梓≫を統率者に据えたデッキを考えてみてはいかがでしょうか。
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