こんにちはしゃけです。
 元CAGメンバーである某氏が先日記事(https://mtg-jp.com/reading/roncommander/0033983/)を公開しました。これを読んだ現役edhプレイヤーの皆様は色々思うことはあるかと思います。僕もこの記事を読んだときは溜め息が止まりませんでした。しかし記事公開から一夜明けて、僕は著者の思想がどうであれ、自分の使ったことのある知名度が低めのカードを、自身の経験を付け合わせて紹介する形式そのものはとても面白いアイデアだと思っています。汎用性、知名度共に低い反面、特定の場面や構築で強く使えるオモチャをプレゼンすれば、そのカードの運用方法や存在を知らなかった人の興味を惹き、布教成功に繋がるからです。某氏の記事がボロクソに叩かれてるのは布教以前の問題なので…
 そんな布教活動への布教活動として、僕なりの「秘宝」を20枚挙げてみようと思います。

1.熱狂のイフリート/Frenetic Efreet
熱狂のイフリート/Frenetic Efreet (1)(青)(赤)
クリーチャー — イフリート(Efreet)
飛行
(0):コインを1枚投げる。あなたがコイン投げに勝った場合、熱狂のイフリートはフェイズ・アウトする。あなたがコイン投げに負けた場合、熱狂のイフリートを生け贄に捧げる。
2/1

 ≪混沌の目、オカウン≫+≪知恵の目、ゼンドスプルト≫の共闘edhを組んでいた時に使っていたミラージュ産のクリーチャー。起動型能力の裁定上、こいつが場に出たら最後何万回でも何億回でもコイントスが可能なのです。オカウンがいる状態で使えば理論上無限パワー無限タフネスに。ゼンドスプルトがいればなんと1ドロー*理論上無限回。ドローの処理が一回ずつ独立しているため、ライブラリーを限界まで引き、まだコイントス処理がスタック上に大量に残ってるタイミングで≪裂け目の突破≫等で≪タッサの神託者≫や≪研究室の偏執狂≫を踏み倒せば特殊勝利が可能です。

2.忌むべき者の歌/Songs of the Damned
3.アガディームの墓所/Crypt of Agadeem
忌むべき者の歌/Songs of the Damned (黒)
インスタント
あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき(黒)を加える。

アガディームの墓所/Crypt of Agadeem
土地
アガディームの墓所はタップ状態で戦場に出る。
(T):(黒)を加える。
(2),(T):あなたのマナ・プールに、あなたの墓地にある黒のクリーチャー・カード1枚につき(黒)を加える。

 ほぼ似ているカードなので同時に紹介します。自身の墓地にあるクリーチャーカードを参照し複数マナを出せるカードです。現在≪汚らわしき者バルソー≫edhのメインエンジンです。
汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled (2)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー — ゾンビ(Zombie)・ドワーフ(Dwarf)
ミニオン(Minion)・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
(黒)(黒)(黒),汚らわしき者バルソーを追放する:各プレイヤーは、自分の墓地にあるすべての黒のクリーチャー・カードとすべての赤のクリーチャー・カードを戦場に戻す。
2/2

 テキストを読めば分かる通り、自身の墓地にクリーチャーカードがあればあるだけ嬉しいデッキなので、上二つのどちらかを確保した状態でライブラリーを削りまくると1枚で10マナ以上は簡単に捻出出来ます。片方は土地なので触りづらく、よく「その土地強すぎないか」と言われますが、「まぁ≪溶鉄の尖峰、ヴァラクート≫のサイクルの一つだしね」と返すと何故か納得してくれることが多いです。流石ヴァラクート。

4.跳ね橋/Crashing Drawbridge
跳ね橋/Crashing Drawbridge (2)
アーティファクト・クリーチャー — 壁(Wall)
防衛
(T):ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーは速攻を得る。
0/4

 エルドレインの王権にて新登場したカード。金額縛りの≪猪の祟神、イルハグ/Ilharg, the Raze-Boar≫edhを一時期やっていた時期に非常にお世話になりました。金額に制限をかける都合上、速攻付与のカードの選択肢が狭まっていて苦労していたので、こいつの登場はとても大きかったです。

5.クラークの親指/Krark’s Thumb
クラークの親指/Krark’s Thumb (2)
伝説のアーティファクト
あなたがコインを1枚投げる場合、代わりにコインを2枚投げ一方を無視する。

 上記の≪オカウン≫≪ゼンドスプルト≫edhの、≪熱狂のイフリート≫以上に重要な役割を担ってくれたカード。成功率50%をこれ1枚で75%に引き上げてくれる超便利なカードのため、≪Transmute Artifact≫や≪発明品の唸り≫でサーチしてからが本番と言っても過言ではありません。≪オカウン≫が48/48の巨体で突っ込んでくることも珍しくありませんし、≪ゼンドスプルト≫で4~5枚引くのもざらです。

6.エルフの開墾者/Elvish Reclaimer
エルフの開墾者/Elvish Reclaimer (緑)
クリーチャー — エルフ(Elf)・戦士(Warrior)
あなたの墓地に土地カードが3枚以上あるかぎり、エルフの開墾者は+2/+2の修整を受ける。
(2),(T),土地1つを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから土地カード1枚を探し、それをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
1/2

 M20のカード。≪迷える探究者、梓≫edhでは≪ガイアの揺籃の地≫、某氏が嫌っている≪イス卿の迷路≫を筆頭とした強い土地を探すことが可能です。探して場に出せる土地はタップインなため奇襲性は薄いですが、毎ターン土地を1枚制限なく探しにいけるのは緑単の土地主体edhにおいて非常に強いです。

7.鏡細工/Mirrormade
鏡細工/Mirrormade (1)(青)(青)
エンチャント
あなたは鏡細工を、戦場にあるアーティファクト1つかエンチャント1つのコピーとして戦場に出してもよい。

 エルドレインのカード。≪Copy Artifact≫と≪エンチャント複製≫を足した感じのカードです。≪太陽の指輪≫等の優良マナファクトになれるのは勿論、他人の≪森の知恵≫や≪息詰まる徴税≫になったり、自分の≪リスティックの研究≫を増やすことも出来ます。こいつの登場のおかげで≪Copy Artifact≫の初版を買わずに済んだのが何より嬉しいです。エルドレイン!凄い!本当に凄いんだ!!

8.演劇の舞台/Thespian’s Stage
演劇の舞台/Thespian’s Stage
土地
(T):(◇)を加える。
(2),(T):土地1つを対象とする。演劇の舞台は、それがこの能力を持つことを除き、それのコピーとなる。

 他人の≪ガイアの揺籃の地≫に化けたり、≪イス卿の迷路≫を増やしたり、≪暗黒の深部≫と組み合わせて20/20飛行破壊不能の化物を生み出すなど、これも≪梓≫edhで非常にお世話になっています。

9.僻境生まれの保護者/Wildborn Preserver
僻境生まれの保護者/Wildborn Preserver (1)(緑)
クリーチャー — エルフ(Elf)・射手(Archer)
瞬速
到達
人間(Human)でない他のクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは(X)を支払ってもよい。そうしたとき、僻境生まれの保護者の上に+1/+1カウンターをX個置く。
2/2

 題名をあえて「多人数戦」としたのはブロールで使っているこのカードのためです。
旧き道のニーキャ/Nikya of the Old Ways (3)(赤)(緑)
伝説のクリーチャー — ケンタウルス(Centaur)・ドルイド(Druid)
あなたはクリーチャーでない呪文を唱えられない。
あなたがマナを引き出す目的で土地を1つタップするたび、その土地が生み出したタイプのうち望むタイプのマナ1点を加える。
5/5

 こいつが生きている限りマナは唸るほど余りがちになるので、マナを支払った分自身のサイズを上げられるのは≪ニーキャ≫と噛み合います。≪影槍≫を装備すれば常識離れしたダメージレースに持ち込めるでしょう。

10.ナイレアの介入/Nylea’s Intervention

ナイレアの介入/Nylea’s Intervention (X)(緑)(緑)
ソーサリー
以下から1つを選ぶ。
・あなたのライブラリーから土地カード最大X枚を探し、公開し、あなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
・ナイレアの介入は飛行を持つ各クリーチャーにそれぞれXの2倍の点数のダメージを与える。

 カード1枚で制限なく土地を複数枚探せるカードなんてもう3年は刷られないだろう、と≪エルフの開墾者≫を見た時は思っていました…。ここまで≪梓≫edhに噛み合う新規カードが刷られまくってるのって、開発組は梓に何か弱みを握られたのでしょうか…?

11.死者の原野/Field of the Dead
死者の原野/Field of the Dead
土地
死者の原野はタップ状態で戦場に出る。
(T):(◇)を加える。
死者の原野か他の土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 スタン、パイオニアで出禁食らった化け物。当然≪梓≫edhに噛み合わないはずもなく、土地だけでゲームを終わらせることも可能になりました。基本土地を削っていると手札の土地を適当に置いているだけで≪死者の原野≫の誘発条件を満たすことも。基本土地も≪森≫と≪冠雪の森≫の2種類を積むことを余儀なくされ、ベータ版の森をイラスト統一して6枚買う羽目になりました…。mfで格安でトレードして下さった外人の方には本当に感謝しております…!!

12.物語の終わり/Tale’s End
物語の終わり/Tale’s End (1)(青)
インスタント
起動型能力1つか誘発型能力1つか伝説の呪文1つを対象とし、それを打ち消す。

 伝説のカードを軸に戦う統率者というゲームにおいて、伝説呪文のみのカウンターモードも腐りにくく、僕の経験上≪もみ消し≫系呪文も使いどころは多く重宝しています。

13.豊穣/Abundance
豊穣/Abundance (2)(緑)(緑)
エンチャント
あなたがカードを引く場合、代わりにあなたは「土地カードか土地でないカードかを選ぶ。あなたのライブラリーの一番上のカードを、選ばれた種類のカードが公開されるまで公開し続ける」ことを選んでもよい。そのカードをあなたの手札に加え、これにより公開された他のすべてのカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。

 自身のドローを置換し、土地か土地以外かを確実に手札に加えられるエンチャント。ドロー制限に引っかからないので≪覆いを割く者、ナーセット≫や≪概念泥棒≫も無視できます。≪森の知恵≫との相性も抜群で、毎ターンライフを支払うことなく3枚手札に加えることも出来ます。緑単では≪森の知恵≫も≪豊穣≫も探す手段を持ち合わせてはいませんけど。

14.霊廟の秘密/Mausoleum Secrets
霊廟の秘密/Mausoleum Secrets (1)(黒)
インスタント
宿根 ― あなたのライブラリーから、点数で見たマナ・コストがあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数以下である黒のカード1枚を探し、それを公開してあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。

 ラヴニカのギルドのカード。無色や黒でないカードを探せず、CMCにも一定の制限がかかってしまう調整版≪悪魔の教示者≫。しかし≪汚らわしき者バルソー≫edhなら墓地にクリーチャーを溜めやすく黒単であるため、ある程度デメリット部分を気にせず運用出来ます。基本は≪忌むべき者の歌≫を探すために使いますが、インスタントかつ手札に即加わるので、緊急時に≪殺し≫や≪残忍な騎士≫を探してそのまま打ち込むという他の教示者系には出来ないことをやってくれることもあります。

15.精神を刻むもの/Mindslicer
精神を刻むもの/Mindslicer (2)(黒)(黒)
クリーチャー — ホラー(Horror)
精神を刻むものが死亡したとき、各プレイヤーは自分の手札を捨てる。
4/3

 手札を補充する≪精神を刻む者、ジェイス≫と対局の存在であるというテーマで刷られたカード。対戦相手の抱えている妨害札を強制的に叩き落とし、そのまま≪バルソー≫でゲームを決めに行くためのカード。こちらはハンドを落とされても困らないどころか利点になり得ます。「まあサクり台ないし通し」と言われたら優先権返す前に≪ファイレクシアの塔≫をセットしてハンドを根こそぎ奪ってやりましょう。

16.反動/Repercussion
反動/Repercussion (1)(赤)(赤)
エンチャント
クリーチャーにダメージが与えられるたび、反動はそのクリーチャーのコントローラーにそのダメージと同じ点数のダメージを与える。

 ≪巡礼者アシュリング≫edhを組んでいた時に使っていたカード。全てのクリーチャーが≪ジャッカルの仔≫のようなデメリット能力を持つようになります。盤面次第では≪巡礼者アシュリング≫の爆破1回で初期ライフが丸ごと消し飛ぶこともあれば、大型クリーチャーの攻撃のチャンプブロックを許さなくさせることも出来ます。ちなみに海外では謎の需要があり、13ドル前後もします。

17.荒れ狂う嵐の儀式/Rite of the Raging Storm
荒れ狂う嵐の儀式/Rite of the Raging Storm (3)(赤)(赤)
エンチャント
《稲妻の憤怒獣/ Lightning Rager》という名前のクリーチャーでは、あなたやあなたがコントロールするプレインズウォーカーを攻撃できない。
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは《稲妻の憤怒獣/ Lightning Rager》という名前の赤の5/1のエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークンを1体生成する。それはトランプルと速攻と「終了ステップの開始時に、このクリーチャーを生け贄に捧げる。」を持つ。

 値段縛り≪イルハグ≫edhで使っていたカード。≪ボール・ライトニング≫と似たようなクリーチャーが各プレイヤーのターンであっちこっちに殴りかかるようになる、「混沌」のカラーパイらしいデザインだと思います。≪稲妻の憤怒獣≫トークンに裏切られる心配もないため、対戦相手はトークンを利用して他人をとにかく早く沈めにいったり、≪荒れ狂う嵐の儀式≫の対処を急がせたり、対戦相手が慌てふためく様子を笑いながら見守ることが出来ます。(楽しい)

18.静態の宝珠/Static Orb
静態の宝珠/Static Orb (3)
アーティファクト
静態の宝珠がアンタップ状態であるかぎり、プレイヤーは自分のアンタップ・ステップにパーマネントを2つまでしかアンタップできない。

 ≪冬の宝珠≫に似たアンタップ阻害カード。アーティファクトを好きなタイミングでタップ出来る≪最高工匠卿、ウルザ≫とは非常に相性が良く、≪ウルザ≫edhではほぼ全てのリストでこれが確認できるでしょう。アーティファクトである分、≪基本に帰れ≫よりアクセスが容易なのも魅力です。

19.呪文書/Spellbook
呪文書/Spellbook (0)
アーティファクト
あなたの手札の枚数の上限は無くなる。

 単眼コンビedhで本気で強いと思い込んで採用していたカードです。≪ゼンドスプルト≫で大量に引き、手札を最大数以上抱え、ターンを返し捨てなければいけないことを問題視し、「土地セット権の消費も気にせず、設置にマナもかからない手札上限解放カードが欲しい」と考えた結果、これの採用に辿りつきました。そこそこ活躍してくれました。

20.焼却の機械巨人/Combustible Gearhulk
焼却の機械巨人/Combustible Gearhulk (4)(赤)(赤)
アーティファクト・クリーチャー — 構築物(Construct)
先制攻撃
焼却の機械巨人が戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは「あなたはカードを3枚引く。」を選んでもよい。そうしないなら、あなたのライブラリーの一番上からカードを3枚あなたの墓地に置き、その後焼却の機械巨人はそのプレイヤーに、それらのカードの点数で見たマナ・コストの合計に等しい点数のダメージを与える。
6/6

 値段縛り≪イルハグ≫edhで最も投げていたカード。戦闘に強く、cip能力も優秀で、対戦相手に「どちらの方がマシだ…?」と深く悩ませる程度に圧力を掛け続けて行きました。ダメージの最高記録は24点(8マナ*3)、最低記録は0点です(土地*3)。

 以上「秘宝」20選でした。予想以上に長くなってしまいました…。
 こういった「秘宝」紹介の記事は「このデッキでこれ試したら楽しかった!!」というレビューになりがちなので、デッキを組む上で非常に参考にしやすくなると思います。なのでこのような「秘宝」紹介文化はもっと広がって欲しいと思います。

コメント

Hiro
2020年5月11日14:36

20枚お見事です